再び非常事態宣言が発令された東京。
近頃は流浪しない番組タモリ倶楽部では、意外と季節感を重んじてお正月にちなんだ企画。
少々お腹が出てきたタモリがブルーのVネックセーターを身にまとい、金屏風の前にたたずむ。そこへ左から三四郎の小宮、右からは相田が「おめでとうございます!」と無理矢理明るく登場。小宮が新型コロナに感染する前に収録されたのだろう。
第7世代と呼ばれる若手芸人が活躍したとタモリが話しているところへ、自らを第6.5世代と名乗る二人。日本の伝統芸能「太神楽」においても、第7世代が台頭しているという。
太神楽とは神事がルーツであり、400年以上の歴史を持つとナレーションの渡辺美佐。
太神楽界のイチオシ第7世代決定戦と銘打ち、芸を披露してもらうことに。
ここで、相田がタモリに太神楽と言えば既に故人ではあるが、お馴染みの染之助染太郎師匠との共演経験を尋ねる。いいとも時代によく共演していたそうであるが、楽屋では暗かったとの談。しかし、あまり興味が無かったのか、「俺、第何世代とかってよくわからないんだよね。俺は何世代になの?」と言い出す無邪気なタモリ。
しばし世代談義をするが、太神楽の第7世代、太神楽曲芸協会に所属する若手4人が登場。曲芸で競い合い、来春のイチオシを決定する「来春イチオシ第7世代決定戦(太神楽の)」。全員着物に袴を着用し、古典芸能感は満載だ。
相田によると、芸人の第7世代はダウンタウンに影響されていないが、同じように太神楽の大御所、染之助染太郎師匠に影響されていない世代だそうだ。染之助染太郎の屋号「海老一」は現在、水戸大神楽家元・柳貴家勝蔵が継承している。
まずは定番、傘回し対決。
全ての演目には意味があり、「傘=末広がり」「枡=ますますご繁盛」「鞠=丸く収まる」となっている。鞠は自分でテニスボールに糸を巻き付け手作りしているそう。
今回登場の唯一の女性、よし乃の鞠はピンクの糸で巻かれており、枡も銀色の紙が貼られていた。本人曰く、高座に上がる際には気分を揚げたいためだそう。
平成7年から国の伝統芸能伝承者養成事業で「太神楽」の研修が始まった。研修で習う基本の技は「立てもの」「投げもの」「傘回し」の3つ。
今回は「乱回し」と呼ばれる傘をぐるりと回して鞠を拘束で回転させる技で誰が一番早く回せるかを競う。
さすが、全員上手に早く回す。タモリのリクエストで乱回しと普通の回し方を交互にすることに。一番早く回せたのは春本小助さん。タモリも過去に挑戦したが、上手くできなかったエピソードを披露。
続いて五階茶碗対決。勝者は鏡味仙成さん。
次はトーク力を審査。太神楽士ならではの悩みでは、「職業を名乗れない」。「太神楽師」と言っても、100%伝わらないのだそう。よし乃は「サービス業」で通している。長いものを所持しているため、空港でも止められることが多いそう。そこから、傘を何に入れて運んでいるかと話題に。製図ケースやバットケースを利用していることが判明。
小宮も不審者に間違われるエピソードを披露し、小さな笑いが発生。
気になる金銭事情を尋ねると、寄席での色物出演では大した収入にならないので、イベントなどの営業でどうにか生計を立てているそう。
傘を見ると回せるかな?というのも太神楽師の性。ビニール傘でもつい試してみるそう。
また、アゴの上で何でもバランスが取れるため、色々なものをアゴに乗せてしまいがちと言い、そのまま椅子のアゴのせを披露。
またもや曲芸に戻る一同。それぞれの新技を披露。よし乃がアゴの上に花瓶を乗せて花を生ける、バランス生け花を披露するも、テーブルの上に置いた花を取るのに手間取り、小宮の助けを借りる場面も。
その後もアゴの上にタブレットを乗せ操作したり、くわの上に茶碗をのせ、さらにタピオカミルクティーをのせて振り回す技、スマホに取り付けるリングライトを傘回しする、といった新技を披露。失敗するというご愛敬も。
一通り新技を見終わったところで来春のイチオシ第7世代太神楽師の決定を相田に促されるも、「そんな目で見てなかった」とまさかのおとぼけタモリ。
しかし、登場時のおめでたい賑やかな感じが無かったとの感想に、改めて登場シーンを行うことに。ところが、再度やってもなんだか全員大人しい雰囲気に決定しないまま、番組は終了。