英検準1級を受験したときの話 

私は今から4年前、42歳の時に英検準1級に合格しました。

当時、地方都市にある小さな会社で事務系の仕事をしていたのですが、自分のキャリアに対して、このままではマズいという焦りがありました。

外国に憧れた20代の頃、語学留学の経験があったのですが、帰国後は英語に触れる機会などめったにありませんでした。

そんなこともあり、改めて英語の勉強をしようと思ったのです。

とりあえず模擬試験の問題集を買ってみた

本屋さんに行くと、英語のコーナーは大充実。しかも、安い! 教材費の安さは魅力です。

若い時に2級は取得していたので、次のレベル「準1級」のテキストを選択。

気軽に買ったテキストを開いた瞬間、私の持った感想は「知らない単語が多いな…」でした。

試しに模擬試験の問題を購入し解いたのですが、知らない単語が多すぎて愕然としました。

模擬試験で腕試し

とりあえず、模擬試験の問題を最初から最後まで解くことにしたのですが、規定の時間をはるかに超え、2時間以上かかったうえ、正答率も50%に満たない散々なものでした。

ちなみに、英検準1級の試験構成は以下となっています。(筆記90分、リスニング30分)

単語穴埋め問題・・・25問

長文、穴埋め問題・・・6問

長文、読解問題・・・10問

英作文・・・1問

リスニング・・・29問

初っ端の単語25問で心が折れ、それに引きずられた結果、長文・英作文にも影響しました。

この時は異様に時間も掛ったので、リスニングを行う気力を失せていました。

2時間以上かけて解いた問題を、答え合わせをしながら気づいたことは、

「知らない単語多すぎ問題」でした。

知らない単語が多いと文章を読む進むことができない!

最初の25問は短文の中に空欄があり、4つの選択肢から正解を選びます。

まず、問題文から難しい。しかし、読まなければ問題は解けません。

反復して読み、問題文の意味が辛うじて理解できたとして、空欄に選択する単語4つの意味が全てわからない・・・なんてことがザラ。

残りの長文問題についても同様で、何度も読み返すことでぼんやりと意味がわかっても、空欄を埋める最適解がわからない・・・

これは全て、語彙力の足りなさでした。

とにかく単語を覚えよう! 

それから私は旺文社「英検準1級語彙・イディオム問題500」で毎日勉強することを日課としました。

私の勉強法は、知らない単語をひたすら反復して覚えることでした。

例えば、これは2020年英検準1級からの問題ですが、

Miranda apologized for being late and explained to the client that she had been ( ) in a meeting.

1 agitated 2 condemned 3 detained 4 deprived

このような問題の括弧を埋める問題です。問題本文は、「ミランダがお客様に遅刻について説明し謝罪した」ということなのですが、遅れた理由について書かれている箇所が空欄です。

ここで、4つの単語の意味が全てわからない、とします。

そうすると、全ての単語において、英作文を作ります。

1 agitated 動詞:agitate 意味:扇動する、心をかき乱す、動揺させる

これを踏まえて、英文を作ります。

英文を作る時も、イメージしやすい英文を作るように心掛けます。

扇動は誰でもできますが、扇動する人や扇動される人としてイメージしやすいのは政治家だったり、活動家だったりするので、今だったらグレタさんで英文を作ってみます。

Young people were agitated by Greta Thunberg as she insisted “How dare you!” at the UN Climate Action Summit.

「若い人たちは国連気候変動会議における「よくもやってくれたわね!」というグレタ・トゥンベリの主張に扇動された」(超訳:勝どき)

ここで重要なのは、英文は正しいに越したことは無いのですが、出来るだけイメージしやすいシチュエーションを考えることです。

ただし、これはとても時間が掛かります。何しろ、他の3つの単語でも行うわけですから。

2 condemned 動詞:condemn 意味:強く非難する、有罪の判決をする

I condemn racial discrimination.「私は人種差別を非難します」(超訳:勝どき)

3 detained  動詞:detain 意味:引き止める、待たせておく、留置する

The police officer detained the suspect. 「警察官は容疑者を拘留した」(超訳:勝どき)

4 deprived 動詞:deprive 意味:奪う、拒む

Prince Henry has been deprived of his throne.「ヘンリー王子は王位を剥奪された」(超訳:勝どき  注:イギリスのヘンリー王子は王位は剥奪されていません)

問題の答えは「3」で、ミランダが遅れたのはミーティングで引き留められたから遅くなったことをお客様に説明し謝罪をしたのでしょう。

こんな風に問題本文のストーリーを考え、かつ、不明な単語にそれぞれストーリーを持たせます。非常に時間はかかるのですが、これは覚えます。

一度に沢山の単語テキストを買って片っ端から問題を解くのもよいかもしれませんが、私はこの1冊を繰り返し使い、全問正解するようになるまで解きました。

余談ですが、繰り返し使うと最初から決めていたので、テキストに何も書き込みをしておらず綺麗なままでした。それで、合格後はメリカリに出品したところ、あっさり売れました。

単語がカテゴリー別になっていると覚えやすい

また、このテキストの優れている点は、テーマごとに章がある点です。

「自然科学」「文化・社会」「政治・国際問題」「経済・ビジネス」「イディオム」と大きく分かれており、その中も「医療・研究」「自然・環境」とユニットが細分化されていました。

各章での扱う種類の単語が取っ散らかって無い、という点も、やりやすかったと思います。イメージする英文に脈略がある方が私には向いていました。

これを私は毎日、1ページ・6問は必ず行い、一日24語を覚えるという作戦でまずは1か月やり通しました。どんな日もとにかく毎日、問題を解いては英文の作成をしました。

大きく5つのテーマに分かれ、その中にもユニットがあります。

問題数・単語数は?

各ユニットは20~30問程あり、ユニット数は12。

各ユニットを25問だとすると、25問×12ユニット=300問です。

300問に4単語の選択なので、300問×4単語=1,200語あります。

一日24単語覚えるとして、1,200÷20=50日。約7週間で1冊が終わる計算です。

これをコツコツ続けました。

勉強開始から二ケ月を過ぎると覚えた単語が増え、英文作成の必要がなくなり、回答のペースが速くなりました。

私のやった勉強法

このテキストは開いて左に問題文、右に解答と解説が記載されていました。

そこで、

①右側にノートを開いて左の問題を解き、ユニット分の20~30問を解く

②ユニット分の答え合わせ

③意味のわからなかった単語を使っての英作文の作成

というやり方をしていました。

勉強をはじめて3か月近くたち、試験本番も近づき、そろそろリーディングの練習もしなければ、という時期に入った頃、旺文社の「長文読解問題120」を購入。

この問題集は、最初の数ページは割と簡単な問題を多めで構成されていることもあってか、正答率が高く、とても嬉しかったです。

語彙力を底上げすることで、リーディングに何の対策も取っていなくても、こんなに読解力も向上するのだと、驚きました。

英語学習の要は単語力だと痛感しました。

本当にお世話になりました。お陰で合格できました。

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