流浪せずにテレビ局の中だけで収録しているタモリ倶楽部。
グレーに黒のドット柄セーター、白シャツ黒パンツでシックな装いのタモリ登場。
のっけから2022年九州新幹線・長崎ルート開通の鉄道情報を挟む抜け目のないタモリ。
そこへビビる大木と櫻坂46・原田葵が登場し、「おめでとうございます」とご挨拶。
うれしそうに「新幹線」と答えるタモリに、間髪入れず「違います、地理の必修化ですよ」と大木。
「高校地理」が必須科目となることを祝う二人。
とはいえ、現役大学生の原田曰く「受験に関係なかったので世界史とかに目がいっちゃう」そうで「地理、不遇だよな」とタモリ。
地理にはしいたげられた歴史があるとナレーションの渡辺美佐。
冒頭で祝った割には地理にあまり興味が無さそうな大木と原田に「地理とか地図とか無くて、どうやって生きてきたの?」と呆れ気味のタモリ。
地理の素晴らしさを伝えるべく、3名の現役地理教師、柴田先生、井上先生、新井先生が紹介される。
これまでは、学内でも地理という科目がマイナーで肩身も狭かったので、今回の必修会により「代打逆転満塁ホームラン」であり「ついに我々の時代がきた」のだそう。「全国の高校生の全員が地理の授業を受けるってなると、ゾクゾクしますね」と新井先生。
何故か起立して地理必修化を祝し、タモリの音頭による万歳三唱。
現役の高校生たちに地理必修化に対して街頭インタビューをするも、地理に対して冷ややかな声。
スタジオに用意された「地理の扱いの変遷」によると
1960年…地理 事実上の必修化(地理A or 地理Bの選択)
1973年…地理 選択科目に(世界史・日本史・地理から2科目選択)
1994年…世界史 全国で必修化
2000年代…有名私立大などの試験科目から地理廃止
2012・2013年…東京都(2012年)、神奈川県(2013年)の公立高校で日本史必修化
2022年…地理 全国でついに必修化!
なのだそう。
1990年に高校進学した大木はクラスメイトと地理の話をした記憶が無いという。
原田が高校に入学した年が2016年と言うと「おとといじゃない」とタモリ。
日本史と世界史は皆学ぶが、そこには入れられなかった地理。
そこで現役地理教師たちが感じてきた悲哀を発表。
「職員室でアウェー感」「社会科準備室でもアウェー感」「生徒に地理の先生と思われない」
地理の素晴らしさを知るために、新井先生の授業を受けることに。
黒板に「製鉄所の立地」と左手で書く新井先生にすかさず「左利きなんですね」とビビる大木。「そんなのどうだっていい」と割って入るタモリ。
グーグルアースを使ってまずは九州にある福岡県八幡地区へ。赤・黒・白に色分けされた区域があることに気が付く。赤は鉄鉱石の鉄さびの色、黒は石炭、白は石灰岩は鉄の主成分なのだそう。
関東にも同じように赤・黒のコントラストが見える。これは神奈川県川崎地区。これらは海沿いにある。日本は全て輸入しているため、輸入しやすいよう、港に工場があるそう。
日本は鉄鉱石の50%をオーストラリアから輸入しているそうで、お次は赤い大地のオーストラリアへ。
先生に「ここはどこですか」の問いに「四国!」と素人向けのボケをする優しいタモリ。
「四国にしてはデカすぎますね」とやんわり訂正する新井先生。
オーストラリア ポートヘッドランド港には鉄鉱石が山積みになっており、鉄鉱石を積載するバルクキャリアが港で列になっている画像が。
このように、地理をストーリー立て勉強することができると力説。
「グーグルアース、凄い!」と感嘆する一同。
続いて、井上先生の「トンボロ」授業。
ここでもグーグルアースが登場。鹿児島県甑島(こしきじま)に「トンボロ」があるという。
トンボロとは、島と陸地の間に溜まった堆積物により出来た地形。陸繋砂州(りくけいさす)とも呼ばれるトンボロ。
香川県小豆島には「準トンボロ」である「エンジェルロード」を紹介。これは、一日に6時間のみ大地として姿を現す。常に大地であるわけでは無いので、準トンボロと呼ばれるようだ。
井上先生がキングオブトンボロと呼んでいる函館のトンボロを紹介。井上先生曰く「函館はトンボロであることをうまく活かしている」のだそう。
トンボロの上に住宅などの建物が密集しており、そこの光と、海の暗さのコントラストが美しいのだそう。
ここまでで、グーグルアースの凄さを堪能したが、最後に新井先生が地理教育に使われる最先端ツール、スマートフォンやタブレット向けアプリ「AR地形模型」を紹介。
タモリが試しにやってみることに。タブレットには立体的な地形が現れた。新井先生から「どこかわかりますか?」に「沼田ですか?」と回答し、正解するタモリ。大木が「これだけでよくわりましたね」と驚いていると「(群馬県沼田市は)河岸段丘の典型的な地形があるところなの」と説明する親切タモリ。
今回登場の地理教師たちも今回の授業に手ごたえを感じたという、前向きな雰囲気で番組は終了。