安倍首相が辞任を発表した。
毎度お馴染み流浪の番組タモリ倶楽部は、開催を見送った浅草のサンバカーニバルを憂いた。
白地に赤と青のチェックの半袖シャツで登場する夏らしい出で立ちで、新型コロナウイルスの影響により各地のお祭りが中止となっている昨今の状況を残念がるタモリ。
ゲストは和牛の二人、水田信二と西川賢志、サンバカーニバルの解説者として浅草サンバカーニバル出場チーム「G.R.E.S.ボスキ・ダ・リベルダーヂ」からサアヤ先生。サアヤ先生は本場リオ・デ・ジャネイロの名門サンバチーム「メンゲイラ」のダンサーとして日本人初出場、これまでに4度の出場経験を持つ。
「東京のお祭りと言えば浅草のサンバカーニバル」と台本通りに言っているだけで全然そんなことは思ってなさそうな西川と、サンバにもカーニバルにも大して興味も無く、適当なサンバ風ステップを踏みつつ登場する水田。
北半球最大と言えるサンバイベント「浅草サンバカーニバル」が来年に延期されたことを告げる渡辺美佐のナレーションが入る。延期されなければサンバカーニバルは39回目を迎える予定だった。そこで、今回の企画はサンバダンサー達を救済すべく「浅草の夏を忘れない!おうちdeサンバカーニバル!!」と題し、リモートでサンバを披露してもらうというもの。
西川がサアヤ先生の経歴を説明し、「ブラジルみたいな人数多いところで出場するなんてすごいですよねと」薄いコメントで対応する水田。それに笑顔で「お前の言うことは近いようで遠いんだよな」と指摘するタモリ。
ここで「意外と知らない浅草サンバカーニバル:実は真剣勝負のコンテスト」のフリップにて説明する西川。サアヤ先生によると、リオ・デ・ジャネイロのカーニバルをお手本にしており、S1・S2と2リーグ制のコンテストだそう。S2リーグで優勝するとS1リーグに昇格するため、S1リーグでも入替戦がある。このように、ただのパレードではなくチーム対抗のコンテストでS1・S2の約20チームが参加し順位を競う。また、アレゴリアと呼ばれる巨大な山車(だし)を準備するのも参加の条件だ。
いよいよサンバダンサー達がリモートで登場。
まずは広島からハイーニャ(女王)として登場する予定だったEkkoさん。家の中には広島カープグッズが見え隠れする。本職のダンサーなだけあって、激しさの中でもブレのない安定したステップを披露。
ダンスを終えたところで「審査の発表をお待ちください」と西川。「審査?」と驚きの様子のタモリ。「そうですよ。最終的には審査結果を発表しないといけないので」と告げられると「ちゃんと見ときゃよかった」と興味のなさっぷりが露見。
「意外と知らない浅草サンバカーニバル②」によると、踊る曲はオリジナル楽曲。音楽好きのタモリだけあって、曲が何なのかはずっと気にはなっていたそう。作詞家・作曲家を抱えているチームも多く、毎年テーマに沿ったオリジナル楽曲を制作してる。楽曲と演奏も審査項目となっており、S1リーグともなると1チームは150人以上の大所帯で構成されている。お揃いの衣装でテーマを表現する「アーラ」の人数も多い。サンバでイメージする羽をつけたダンサー(パシスタ)はチームの1割以下だ。
続いてはパシスタから離れて4年、江東区在住のちささん。畳の上で娘と共にダンスを披露。畳と衣装の違和感、畳の痛みを心配する水田。
さいたま市の自宅からは真っ赤な衣装のまゆみさん。
次に登場したのは現役女子大生で、学生寮からダンスをするまゆこさん。寮母さんに許可を取っての収録だったそう。
トリを務めたのは草加市からエリィさん。ご主人とのなれそめもサンバだ。ご主人も途中から合流しサンバを踊り出した。
自宅の環境、背景、ギャップなどを考慮し、畳の上で踊ったちささんが優勝となった。
フィナーレはスタジオのサアヤ先生・水田を含む全員でダンス。
鉄道企画以外におけるタモリ倶楽部のポイントは全員が大して企画に興味がないところだ。そして、企画対象者のマイノリティがゆえの謙虚さを持ってしてもあふれ出す愛情を垣間見るところが醍醐味であろう。しかし、今回はサアヤ先生が空気を読みすぎたのか、サンバ愛をそれほど押して来ないところが少し残念ではあった。
とはいえ、露出の激しい衣装の女性がスタジオで情熱的なダンスを披露するというシチュエーションはよいらしく、始終嬉しそうなタモリもまた一興であった。