2024年読書の覚書き 巻

 去年の夏に転居して以来、地味に読書が習慣になった。理由は簡単で、地下鉄で通勤することになったからだ。(以前はバスに揺られて街並みを眺めながら通勤していた)

 都知事選挙と重なったタイミングもあり、「女帝 小池百合子」から始まり、YouTubeの書評番組で紹介された本を適当に選んで読んだ。適当に選ぶというのはなかなかよくて、期待値があまり高くない分、読み終えた際の高揚感を大きく胸に感じることも多かった。

以下、昨年読んだ本のリスト

・女帝 小池百合子 石井妙子 著 

・夜と霧 V E フランクル 著

・彼女が僕としたセックスは動画と完全に同じだった 山下素童 著

・現役グラドルがカラダを張って体験してきました 吉沢さり 著

・セックス幸福論 森林原人 著

・馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください 藤森かよこ  著

・馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください 藤森かよこ 著

・馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性 藤森かよこ 著

・グレート・リセット クラウス・シュワプ/ティエリ・マルレ 著

・余剰の時代 副島隆彦 著

・なぜ、私は誰とでも寝てしまうのか 福田光睦 著

・グロテスク 上 下 桐野夏生 著

・太陽の金の林檎 レイ・ブラッドベリ 著

・東電OL殺人事件 佐野眞一 著

 桐野夏生の「グロテスク」が上下巻で2冊なので、15冊読んだ。基本的に電車の中でしか読まないし、読書が早い方でもないのでそれ程読書量は多くもない。一見脈絡の無いラインナップであるが、前述したように、「女帝」については、都知事選のタイミングで読んでみたし、アンネ・フランク ファンとしては、やはり強制収容所についての様子を精神科医の視点から書かれた「夜と霧」はいつか読みたいと思っていたので、遅まきまがら読んでみた。

「彼女が僕とした~」「現役グラドルが~」「セックス幸福論」については、芸人コンビ「さらば青春の光」がYouTubeの本紹介番組で著者をスタジオに呼び対談形式で紹介しており、買ってみた。

「馬鹿ブス貧乏~」3部作は、以前からネットの書評において高評価でタイトルのインパクトもあり、数年前から気になっていたものの忙しいという言い訳の元、未読のまま過ごしていた。が、去年、入手したところ、「馬鹿ブス貧乏の貴女は」と読者に語りかけるスタイルで衝撃を受けた。身も蓋もない現実を思いやりを持って説明する自己啓発本で、望む望まないにもかからわらず日本に生きている以上、人生は続いてゆくものであと予想される為、人生の道しるべとして、続編2部も迷わず購入した。馬鹿ブスシリーズは書評としても有効な著書で、読了後、著書で紹介されていた「グレート・リセット」と「余剰の時代」を購入した。

 私は週末をゴールデン街で過ごすことを習慣にしており、ある日の週末もゴールデン街ジプシーをしていた。そこで、たまたまカウンターの並びに座っていた方が「なぜ、私は誰とでも寝てしまうのか」という作品を出版したばかりの作家だと知り、購入した。これまでの人生で性に奔放な女性など、セックスアンドザシティのキム・キャトラル扮するサマンサくらいしか知らなかったが、男性経験3万人を超える性の猛者とも言える女性10名にインタビューをしているという作品で、彼女達の赤裸々な性体験に非常に感心した。

 たまたま目にしたYouTubeチャンネルに肉乃小路ニクヨが女性作家との対談で紹介されていた「グロテスク」とレイ・ブラッドベリの「霧笛」。レイ・ブラッドベリは「華氏451度」が恐らく一番有名な作品であるが、タイトルのみ知っていて、読んだことはなかった。「霧笛」は短編小説で、「霧笛」が掲載された短編集「太陽の金の林檎」を購入した。

「グロテスク」は実際に起こった「東電OL殺人事件」を元にしたフィクションなのだが、元の事件をよく知らなかったので「東電OL殺人事件」のルポルタージュを買ってみた。このルポルタージュは誤認逮捕されたスリランカ人に妙に肩入れした作品で事件に肉薄したようなルポルタージュではなかった。

 以上のような読書生活を送った2024年であった。

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