日本が世界に誇れる番組といえば、テレビ朝日の長寿番組タモリ倶楽部だろう。
5月2日からは女性ナレーター渡辺美佐の声となった。長年親しんでいた武田広のナレーションから増谷康紀に変わった時は違和感があったが、この変更は成功と言えるのでは無いだろうか。
そんなタモリ倶楽部であるが、先週に引き続きコロナ禍の影響によりロケが出来なかった為か、過去の放送を振り返る回となった。
今回のテーマは「振り返れば誰もいない ぶっちぎり!!孤高のマニア列伝」。
トップバッターは2013年6月28日放送、「空想地図マニア」の登場。
7歳の頃から地図を空想で描き始め、小学校5年生の頃には架空の都市、中村市(なごむるし)の地図の作成を開始した男性が登場する。
街には新幹線が通っており、新幹線も停車する人口156万人の都市だそうだ。これにタモリも即座に反応し「福岡市と同じくらいだね」とのこと。テロップには「福岡市人口約160万人(2020年5月現在)」と放送当時にはなかったであろう豆知識が追加された。
中村市にはこれまた架空の都道府県「京南府:けいなんふ」にあり、地図上には府庁舎があることから、府庁所在地であるようだ。
完成度の高い地図には架空のコンビニ・スーパーのロゴも数多く配置されており、マニアのこだわりに一同感嘆。
架空の都市で起こった架空の政治的背景も地図の中に見え隠れしており、中でも当初建設予定であった新幹線の駅は紆余曲折の上、京南府庁舎の近くに建設されることになったそうだ。
この回のゲストは伊集院光、後藤まり子、ドランクドラゴンの塚地武雅。
次に登場するのは2015年6月26日放送、「古文房具マニア」。
生産中止や絶滅寸前の古い文房具を骨董市やオークションなどで買い集めるマニアの登場。
明治時代にアメリカから輸入された珍しいホチキスを紹介し、そのホチキスで紙を綴る機能を確認。
古文房具マニアが最も力を入れているのが古い消しゴムで、放送時点で3000点程収集していたそうだ。この回ではその中でもマニア選りすぐりの消しゴムが紹介され、ヒノデワシなる国産メーカーの消しゴムや100年以上前のヨーロッパの消しゴムコレクションを披露。
ゲストは今、旬な人・アンジャッシュの児嶋一哉、大宮エリー、渡辺祐。
タモリ倶楽部の準レギュラーとも言えるみうらじゅんが登場し、残念なコレクションを検証する2016年6月10日放送、「ナイブームを振り返ろう」も有名人枠として入りこんだ。
蟹のパンフレットこと、カニパンを集めるみうらじゅんが関西の旅行代理店から収集したカニに舌鼓を打つ旅行のパンフレットが紹介された。みうらじゅん曰く、都内では見かけないパンフレットで、関西に行った時のみ収集可能だそうだ。
シンスブームについても言及。主に店の操業年・シンス(Since)が書かれた看板の写真を撮影しコレクションしており、各店のシンスについてみうらじゅんが解説するというものであった。
みうらじゅんはシンスブームの影響で家ではヒヤシンスを育て始めたという話も。
ゲストはみうらじゅん、Kinkikids堂本剛、テレビ朝日アナウンサーの久保田直子は司会進行で登場。
4人目は2018年1月26日放送の「辞書マニア」の男性。
辞書の校正の仕事をしているという男性は広辞苑の第一版の1刷から29刷までの刷り違いまで集めたという。これは各刷でのわずかな違いを見つけ出すためだそうだ。
コレクター本人の自宅に収集された6000点を超える事典は圧巻。また、冊ではなく点でカウントするのは、ひとつの百科事典シリーズなどのセット物が10冊あっても、1点という数え方となる為、冊数となると当然ながら6000冊は超えてしまうそうだ。
現在の漢和辞典の基礎となった、約300年前に中国で発行された康煕字典(こうきじてん)なる中国の字書も収集されており、90セットが本棚の一番上に積み上げられていた。
ゲストは東京03の角田晃広、山田五郎。
最後の登場となったのは2013年10月25日放送、一人で山岳ガイド映画の制作を行う「自分撮り山岳ガイド映画監督」の男性だ。
企画・主演・監督・撮影・編集・音響・ナレーションを行う為、監督みずからでカメラの設定、撮影を敢行し、自身の登山姿を撮影するというスタイルで、何とこれまでに250本もの作品を制作。
2008年には国民文化祭にて文部科学大臣賞を受賞しているという最高傑作、「妙義道(みょうぎどう)とその葛藤」が披露された。群馬県の妙義山の登山道・妙義道の険しさを映し出す映像と、監督の心の葛藤(外国で平穏に暮らす息子を想いながらも登山という過酷な事をしている自分自身の葛藤:本人談)が評価されたそうだ。
ゲストは映画監督の大根仁、伊集院光。
有名人枠のみうらじゅん以外は、放送後についても本人に問合せたらしく、コレクションの数も増えているという嬉しい情報も更新されていた。